秘密保持と機密保持の違い

メモとして、「秘密保持」と「機密保持」の違いについてエントリー。
「秘密」も「機密」もほぼ同じ意味合いです。現実的にはそんなにセンシティブになる必要がなく、どちらを使っても差しさわりはありません。が、NEC富士通などの大手ソフトウェアメーカー等の契約書では「機密」が多用されているようです(私も、大手メーカーのものを見たことがあります)。

なぜ大手ソフトウェアメーカー等で「機密」の方が利用されているかという、もともとの原点は、「防衛庁に関係する契約書の文言をそのまま流用したから」だと言われているようです。

ちなみに、「秘密」と「機密」の厳密な意味あいとしては・・・

「機密」という用語は国家の軍事、行政上の用語。classified informationに相当する。
【機密】(infoseek国語辞典 powered by三省堂)
〔枢機に関する秘密の意〕重要な秘密。主に政治上・軍事上の事柄についていう。

「秘密情報」は、英語で言うconfidential information に相当。
【秘密】(infoseek国語辞典 powered by三省堂)
(1)隠して人に知らせないこと。公開しないこと。また、その事柄。
(2)人に知られないようにこっそりすること。

ということで、大手ソフトウェアメーカー等企業の場合は、軍事産業にも大きな関わりがあり、また、特許案件なども多く保持していることもあり、「機密」の方を使用するのが妥当といえるかもしれませんね。
ですが、ネットベンチャーの秘密保持契約の場合は、「機密保持契約」というのはすこし大げさなけらいがあるので、「秘密保持契約」を使用するのが妥当かな・・・。

ちなみに、アメリカ政府の場合、情報区分を法によって下記のような機密等級に分けて定めているそうです。

Top Secret−その不正開示が国家安全保障に特に重大な損害を及ぼすと合理的に予想される情報資料に適用
Secret−その不正開示が国家安全保障に重大な損害を及ぼすと合理的に予想される情報資料に適用
Confidential−その不正開示が国家安全保障に損害を及ぼすと合理的に予想される情報資料に適用

防衛庁の秘密区分は以下の通り。

防衛庁の秘密には、米国から供与されたミサイルや戦闘機など装備品の構造や性能に関する「防衛秘密」と、防衛庁の業務に関する「庁秘」に大別され、それぞれがさらに「機密」「極秘」「秘」に三区分される。
秘密なくす監視必要/那覇市情報公開訴訟-琉球新報より

昭和33年防衛庁訓令第102号 第5条(秘密区分の基準)
(1)「機密」とは、秘密の保全が最高度に必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に重大な損害を与えるおそれのあるものをいう。
(2)「極秘」とは、機密につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に損害を与えるおそれのあるものをいう。
(3)「秘」とは、極秘につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、関係職員以外の者に知らせてはならないものをいう。

「機密につぐ程度の秘密」とか、「極秘につぐ程度の秘密」とか、バクッとしすぎて全然伝わってこないですが・・・(笑)。
まあ、そーゆーいうことで、参考までー。

追記

防衛庁の秘密区分は「特別防衛秘密」(「防衛秘密」「機密」表示?)、「防衛秘密」、「秘」の3段階に変わったようですね。
参考(http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/18/sougou/sankou/sougou03_sankou.pdf