Googleアドセンス訴訟は日本の裁判所で出来るのか?

id:wa-renさんからメールでid:mkusunokさんのエントリ「アボセンスについて頭の体操-雑種路線でいこう」のURLが突然送られてきたので、これは、私にコメントを求めているのだと(勝手に)解釈しましたw
wa-renさんには、ちょっと前に長文メールをしたためて送ったのですが、せっかくなので、ブログにエントリします。法律の専門家でもなく、アドワーズアドセンスも利用したことないので、一部とんちんかんなところがあるかもですが、それはご容赦くださいw

広告掲載契約に下請法は適用されるか

はてブのコメントにも書いたんですが、広告掲載は、掲載にあたって成果を約束している形態でなければ、請負にはなりえないので、考え方としては準委任(事務代行)でしょうね。
なので、当然下請法は該当しませんね・・・。

決済手段としてみた場合?

  • 決済手段としてみた場合、前払い型のアドワーズはサーバ型の前払式支払手段、アドセンスはポイント・サービスという整理で正しいか。
  • 日本人を対象とした、日本語による、日本の金融機関と連携した決済サービスは、外国の事業者であっても日本の金融庁による規制の対象となるか。 → サーバー電子マネーやポイント・サービスに対する規制の動向によっては対象となる可能性も。

私、アドワーズアドセンスも使ったことないので、意図が伝わりきらず??なんですが、アドセンスって支払現金じゃなかったでしたっけ?何故ポイントサービスという言葉が出てくるのかと、それが裁判に関係あるのか、アドセンス使ってないのでよくわからなかったり・・・。あうあう。
なので、アドセンスは利用者に現金が最終的に支払われる仕組みとして話を進めます。とんちんかんになったらすみません。
利用者に金銭として支払われるなら、銀行とGoogleのやり取りも当然お金でしょう。もし、利用者に支払われる対価が最初はポイントで、Googleの中でポイントを現金に交換できるシステムを用意しているという形の場合でも、銀行Google間は現金で決済されるはずですよね。なので、銀行とGoogleにポイントの問題は発生し得ないと思います。とりあえず。
あと、規約の規定と銀行Google間の商取引は何ら関係ないので、銀行とGoogle間が裁判に絡む場合は、管轄裁判所の定めは意味をなさないでしょう。

独禁法と関係あるの?

アドセンス口座の一方的な終了は、独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たるか。また、その場合に日本の独占禁止法を域外適用することは可能か。→ 独禁法の審決なら日本で裁ける可能性があるのかな。

Googleの規約・ガイドライン違反で警告を受けた上での一方解除には、独禁法は関係ないんじゃないかな・・・と思います。特に引用元のケースの場合は全く関係ないと思います。契約の一方解除も規約に書いてありますし、普通に商行為として認められるよくある事項だと思いますし、特に不法行為ではないと思います。引用元の方は、Google側から何度も警告を受けられているご様子ですし・・・。

この話は、掲載基準(公序良俗審査)はあくまでもGoogleの掲載基準なので、それについての妥当性を争うことは意味のないことだと私は思います。ですので、争うとしたら、成果に関する残金の清算について、お金を払う払わないの争いですよね。それも数度警告受けてれば、やはり、難しいのではないかと思います。

この件に絡みで、唯一、主張してもいいような争点があるとしたら、Google規約違反と判断して一方的に解約したけど、相手方利用者に実は落ち度(問題)がなかった場合に、残金の清算がなかった場合だけだろうなぁ・・・という気がしますが、ほかの方はどう思われますでしょうかね。色々お伺いしてみたいところです。

国際裁判の管轄

  • 約款上は「本契約に基づくまたはこれに関連して生じる一切の紛争または請求については、カリフォルニア州サンタクララ郡の裁判所において裁判が行われる」ものとされているが、日本で訴えを起こすことは可能か。→国際裁判管轄法制については条約の話も進んでいないし、民事訴訟を起こすことは難しそう。

昭和50年11月28日の最高裁判所判例に、「特定の外国裁判所を第一審の管轄裁判所として指定する合意は、当該事件が専ら日本の裁判所の専属管轄に属さず、かつ当該外国裁判所に管轄があるときは有効」というのがあるんです。
要は、日本の法律上、日本でしか扱い得ない・日本の法律でしか判断できない事件や、裁判所の管轄を指定された国の法律上、その国では扱い得ない事件というような、特別なケースでない限りは、元々、契約書などで「第一審の合意管轄裁判所はココ」と決められていた裁判所でやりましょうということです。

ただ、日本法においては「不法行為地管轄*1」を認めています(昭和56年10月16日最高裁判決)し、国際裁判管轄においても、そういう流れはあるようです。それは、証拠収集が容易で適正迅速な裁判ができることや、不法行為訴訟は不法行為地国の公序に関係すること等によるようです。

また、Googleは、日本国内に日本法人(支店?営業所?)を設けてます。更に、Googleの日本法人がアドワーズに関する営業・業務を行っていないとはちょっと考えがたいので、不法行為に関する裁判であれば、日本での国際裁判管轄を認められる可能性も高いのでは?と私は考えてます。

要するに、とりあえず、まずはダメ元で日本法人訴えてみろという話ですねw


そんな感じで、拙い意見を開陳してしまいましたが、専門家の鋭い指摘があれば、たぶんすぐ意見引っこめると思いますw
ではではー。

*1:不法行為に関する訴えについて、不法行為があった地に裁判の管轄が認められるということです。