思いもよらぬリンゴの効果

私は一応普段料理とかしてはいるんですが、生活の知恵的なものが欠落してて、人に色々教えてもらうたびに「えー!そうなの!!」と感心してばかりなんですが、今日はまた、新たな生活の知恵を仕入れたので、リンゴがスゴイという話をちょっとだけ書こうと思います。

リンゴはすごい

リンゴは熟成するにつれてエチレンガスを多く発生することをご存知でしたか?私は知りませんでしたw
このエチレンガスというのは、植物の育成・熟成に、色々な効果をもたらすものです。

フルーツを熟成促進させる

エチレンガスは、植物ホルモンのひとつで、果実を熟成させる働きがあるそうです。植物ホルモンは、ホルモンを出している植物自身は当然として、他の植物にも、放出されるホルモンの効果が及びます。植物ホルモンの多くは水溶性の物質ですが、*1唯一気体の植物ホルモンがエチレンガスです。特にリンゴは、エチレンガスを多量に放出する果物なのだそうです。なお、石油化学製品のエチレンでも、同じ様に果実を熟成させる働きがあるそうです。

キウイ&りんごの組み合わせが一番有名のようですが、まだ熟しきっていないキウイ、メロン、バナナ、オレンジ、西洋ナシなどをリンゴと一緒に密閉して保存する*2と、りんごから発生するエチレンガスの作用により、熟成の促進が行われ、熟したおいしいものを食べることができます。どれくらいかの目安は難しいですが、1週間一緒にすれば十分かと思います。ただし、果物のコンディションは繊細なので、3・4日過ぎたら様子をみて判断してください。
また、渋柿は、リンゴと一緒に密閉して保存しておくと、1週間程度でシブが抜けて甘柿のようになるそうです。スゴイです。
逆に言うと、よく熟している果物をリンゴと一緒に保存すると熟しすぎて腐りやすいということです。これは気をつけないとダメですね。
ちなみに、ブドウ、いちじく、さくらんぼ、トマト、にんにく、タマネギなどは、エチレンガスの影響を受けにくい青果だそうです。

ジャガイモの発芽を抑える

リンゴがだすエチレンガスには、じゃがいもの芽の生育をおさえる働きがあります。ですので、熟成したリンゴとじゃがいもを密閉状態で一緒に保存すると、ジャガイモの発芽が抑制されて芽が出にくくなります。なんたる生活の知恵!!
ちなみに、エチレンガスは果実に対して大きく作用が働きますが、果実の種に対しては、どちらかと言えば発芽抑制・休眠維持の作用を持つアブシシン酸と同じ様な働きをするそうです。でも、果実を熟成させる作用ほどは、力が大きくないようです。


そんな感じで。
すごいよリンゴすごいよ。とりあえず私は、今度リンゴを買ったら近くに青果系商品を置くのをやめようと決意しましたよ。うんうん。

*1:今発見されているもののなかでは

*2:ポリ袋とかを縛って保存でも大丈夫です